高齢者の方々が社会とのふれあいを維持するためには、懐かしい場所に足を運んだり、旧友と話す機会を設けることが大切です。特に、定年まで働いていた男性の高齢者の場合、女性の高齢者と比べて地域との関わりが薄い傾向がみられるため、居心地の悪さから外出を控えている方もいるのではないでしょうか。いきなりつながりのない集団の中に飛び込むよりも、馴染みのある人や場所と接触する機会をつくることで、自分の在り方やこれからについて心の整理がつく方もいるのではないでしょうか。
また、自分のやってみたかったことや趣味に打ち込むことも、社会とのふれあいを絶やさないうえで重要なことです。自分にとって興味のあるものとのふれあいを持つことは、日常生活にメリハリを生むきっかけになります。人との関わりが減る原因の一つとして、基本的な生活パターンが周囲と徐々に異なるものになっていくことも挙げられます。余生をただ消費するように生きるより、どう過ごしたいかの指標をもつだけでも、生活リズムの乱れを防ぐことにつながるのです。
もし、SNSの使用に長けている人であれば、同じ趣味を持っている人が集まっているグループを探すこともよいでしょう。遠出や旅行が好きな方であれば、それも社会参加の手段の一つになります。年齢にとらわれず、人々との交流を継続し、様々な体験の機会を失わないためにも、まずはご自分にとって所縁のある土地に出向いたり、同郷の方と会う時間をとってみてはいかかでしょうか。