高齢化社会が進み一人暮らしをする高齢者が多く、高齢者の社会的な孤立が問題となっています。総務省によると65歳以上の単独世帯は年々増えており、2040年には全体の40%に達すると予想しています。高齢者が社会的に孤立すると気づかぬうちに認知症となり、進行が進んでしまいます。結果、地域での約束事を守れなくなったり、ご近所トラブルに発展したりします。また、高齢者の孤立による最大の問題点は、孤独死です。誰にも看取られることなく、一人寂しく亡くなってしまう高齢者が増えています。東京都福祉保健局がおこなった調査では2003年から2012年で、孤独死がおよそ2倍に増加している結果となりました。
また、東京都健康長寿医療センターの研究チームによると、高齢者が人とのふれあいなくして孤立すると6年後の死亡リスクが2.2倍まで高まるそうです。人との会話もふれあいもなく、一人で生活していると孤独感が増し生き甲斐もなくなっていきます。高齢によって身体機能の衰えが増すと買い物なども億劫となり、外出する機会も減って負の連鎖が起こってしまうのです。
高齢者の孤立とさまざまな問題を解決するのが、人とのふれあいです。人間とふれあい情報交換し、人と共感するなかでお互いに支え合いの輪が広がります。また、これまで培ってきた自分の得意なことや趣味なども活かされていきます。結果、孤独感が消えていき、生き甲斐も生まれてくるのです。生き甲斐を感じると内面からエネルギーが湧き、たとえ高齢による身体的な機能が衰えても心が溌溂として、楽しく生きることができます。