子どもが独立し、配偶者を亡くした高齢者などは孤立しやすく、会話の機会もほとんどないというケースが少なくありません。他者との交流の機会が減ると、外部からの刺激が減って、脳の活動が不活発になり、認知症のリスクが増すでしょう。したがって、一人暮らしの高齢者などは、積極的に他人とふれあいの機会を持つことが大切です。高齢者が参加できるふれあいの場として、デイサービスが挙げられるでしょう。デイサービスは要介護者や要支援者を対象として、日中レクレーションなどを通じてスタッフや他の利用者と交流できる通所施設です。
デイサービスでは、スタッフが利用者を介護するだけでなく、利用者同士のふれあいも重視しています。ただし、デイサービスは、要支援認定や要介護認定がないと、利用料の公的支援を受けられません。まだ要介護度などの認定を受けていない高齢者は、介護予防教室に参加できます。介護予防教室は、介護が必要ない高齢者を集め、運動や歌唱などを通じて参加者と交流を図れる場となっているのです。それから、介護予防事業として、高齢者サロンが各地で社会福祉協議会により開催されています。
高齢者サロンは、地域の公民館や集会所で毎月1回程度開かれるもので、要介護認定などは参加の条件となっていません。高齢者だけでなく子どもも参加できて、他の年齢層の参加者とも交流できます。デイサービスと同様に、趣味を生かせる活動が豊富で、高齢者の快適なふれあいの場所となっているのです。介護予防事業でも、高齢者がふれあいの機会を持つことにより、健全な生活を送れるよう配慮していると言えるでしょう。こちらの<高齢者の心身を守る「ふれあい」の力>にも、高齢者を孤立させないためのさまざまな取り組みが書かれているので読んでおきましょう。